ceramic academy
course 03セラミック材料ものづくり講座 00

はじめに

セラミック技術はまさに日本ガイシの基盤であるといえるでしょう。構造体としてのセラミックス、それに加えて機能性を持たせたセラミックスの製造へと事業を展開する中で、多くの経験やさまざまな知識が蓄積されてきました。これらのノウハウやこれからのものづくりについて、生産工程に沿って解説していきます。

これまで日本ガイシは、大きなものを作る技術や、高品質の製品を大量に作る技術を強みとしてきました。世界最大の陶磁器である100万ボルトブッシング用のがい管や、世界同一品質で累計約15億個も生産してきたハニセラム。これらが日本ガイシの発展を担ってきた偉大な成果であることはいうまでもありません。現在ではこれらに加えて、チップ型リチウムイオン二次電池のようにセラミックスの結晶配向を制御したり、紫外LED用マイクロレンズのように精密成型が可能なセラミックスでの事業を展開しています。

そしてこれからは、製品の品質や機能の向上に努めるだけではなく、環境負荷の低い製造プロセスや、環境の改善につながる製品の創出についても考えなければなりません。日本ガイシの「環境基本方針」では環境負荷低減への取り組みとして、「プロセス、設備の省エネ対策を推進し、CO2発生量を抑制」、「省資源、リサイクルを推進し、副産物の発生を抑制」、「化学物質の適正使用、適正管理を通して有害物質のリスクを低減」、「環境に配慮した材料・部品・製品・設備を優先的に調達・購入」などの行動指針を掲げています。私たちのものづくりは、いま確かに変わりつつあるのです。