セラミックスまたはセラミックという言葉から何をイメージしますか? 陶磁器やがいし、衛生陶器などの焼き物を思い浮かべる人も多いかもしれません。実は、身の回りにある材料のうち、鉄やアルミなどの金属、プラスチックやナイロンなどの有機物を除いた材料が全てセラミックスなのです。タイルや窓ガラス、さまざまな電子機器に使われる部品など、セラミックスは私たちの生活を支える重要な役割を担っています。
※本サイトでは、セラミックスとセラミックについて、以下の使い分けを行っています。
セラミックス:名詞として使用する場合。
例)セラミックスの特徴、セラミックスは金属やプラスチックよりも・・・
セラミック:形容詞として使用する場合。
例)セラミック技術、セラミックアカデミー
固体材料のうち、非金属元素からなる材料(例:シリコンやダイヤモンド)と、金属元素と非金属元素の組合せである無機化合物材料(酸化物、炭化物、窒化物など)がセラミックスです。
金属・プラスチックと比べて…
セラミックスは金属やプラスチックよりも、いろいろな元素の組み合わせが可能な材料であるため、その種類はさまざま。基本的な特性に加え、急激な温度変化でも割れない、電気を通さずに金属のように熱を伝えるなど、多様な特性を実現することができます。
日本ガイシではセラミックスの特性を生かし、自動車排ガス浄化用触媒担体や、10億分の1メートル以下の小さな孔で混合ガスから特定の気体を分離するサブナノセラミック膜など、さまざまな製品を作っています。多様な製品の一端を紹介します。
がいし
ライフラインである電力を安全かつ安定的に届けるために、送電線を支え、鉄塔や機器との間を確実に絶縁する重要な役割を担っている「がいし」。揺るぎない品質と技術力が、安全で確実な電力供給を支えています。
NAS電池
独自の高度なセラミック技術により、メガワット級の電力貯蔵を世界で初めて実用化した「NAS電池」。再生可能エネルギーの普及やスマートグリッド(次世代送電網)の構築に貢献します。
自動車排ガス浄化用セラミックス
自動車排ガス中の有害物質を無害化する触媒を保持するためのセラミック担体「ハニセラム」や、多孔質フィルター技術を発展させ、粒子状物質(PM)を除去する「DPF」、「GPF」など、排ガス規制の強化に対応する浄化技術を開発し、環境保全に貢献しています。
亜鉛二次電池「ZNB」
エネルギー密度が高く安価な亜鉛の充放電を繰り返すとショート(短絡)を引き起こすという問題を独自開発の水酸化物イオン伝導性セラミックスにより解決し、二次電池化を実現しました。安全性が高く、屋内設置に最適な亜鉛二次電池を開発しています。
窒化ガリウムウエハー「FGAN」
独自の結晶育成技術により、ウエハー全面にわたる低結晶欠陥を達成。レーザーの高出力化や、今までにない超高輝度のLEDを実現し、プロジェクターやスタジアムの照明の光源などに活用できます。
複合ウエハー
セラミック分野で培った独自の接合技術や超高精度薄板研磨技術により開発した電子デバイス用の基板。異なる素材のウエハーを貼り合わせることで、単一材料のウエハーでは実現できない性能や機能を引き出します。
サブナノセラミック膜
混合液から特定の液体を、また混合ガスから特定の気体を分離できるさまざまな「サブナノセラミック膜」を開発しています。次世代膜は、大幅な省エネルギー、省コストを可能にし、革新的な分離プロセスを実現します。
チップ型セラミックス二次電池「EnerCera(エナセラ)」
電極に日本ガイシ独自の結晶配向セラミックス板を使用した、小型・薄型でエネルギー密度の高いリチウム(Li)イオン二次電池。耐熱性が高いことが特徴です。IoTデバイスやスマートカードなど次世代機器の普及に貢献します。
セラミックヒーター
成膜プロセスでシリコンウエハーの温度を均一にコントロールするためのステージ。ウエハーを置く発熱体ステージの底面に、管(シャフト)を接合した独自の構造により、端子や導線をハロゲンガスなどから保護します。