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course 01セラミック材料基礎講座・入門編 01

なぜセラミックスってかたいの?

前回の「セラミックスとは」ではセラミックスの定義と特長について紹介しました。セラミックスにはさまざまな特長がありますが、今回はその中でもセラミックスの「硬さ」に着目!実は「硬くて」「もろい」セラミックス。硬いのになぜもろいのか?原子の結び付きの観点から、その秘密に迫ります。

セラミックスの硬さ

金属材料や有機材料と比べて「硬い」セラミックス。ここでいう「硬さ」とは、物体の変形のしにくさや、傷つきにくさのことです。実は、セラミックスの「硬さ」は、原子の結び付き方に由来します。セラミックスを構成する原子の結び付きには2種類あり、一つは金属原子と非金属原子が電子をやり取りし、プラスとマイナスの電気を帯びたイオンとなって引き合う「イオン結合」。もう一つは非金属原子同士が電子を出し合って結び付く「共有結合」です。どちらも原子同士が強く結び付いているのが特性で、この結び付きの強さこそが、セラミックスの「硬さ」の秘密です。

セラミックスのもろさ

金属材料や有機材料は、力を加えて曲げたり伸ばしたり変形させることができますが、セラミックスではしなった状態からさらに大きな力が加わるとぽっきり折れてしまいます。このセラミックスの「もろい」性質も、原子同士の結び付き方が関係しています。

材料に大きな力が加わった時、内部の原子は元の位置からずれて隣の原子の位置にずれようとします。金属材料や有機材料は、原子の位置がずれやすい結合様式のため変形することが可能ですが、セラミックスでは隣の原子への位置ずれができない結合様式のため、しなりはするものの。それ以上に変形することができず壊れてしまいます。これがセラミックスの「もろさ」の理由です。

金属に力がかかった様子 セラミックに力がかかった様子