第四回 「成型」1押出成型

今回から3回にわたって、成形について紹介していきます。セラミックスの成形には押出成形や射出成形、加圧成形、鋳込み成形などいろいろな方法があり、製品の材質や形に応じて使い分けをしています。その中で今回は押出成形について紹介します。

多孔体ってなに

押出成形とは、原料に圧力をかけて金型(口金)から押し出すことで形づくる方法です。断面形状を一定にできるので、棒やパイプ状の製品をつくるのに適しています。当社の製品でいうと、ハニセラムや浄水器C1のフィルターなど、柱状一体型のモノリスタイプの製品がこの成形方法でつくられています。

押出成形では、曲がりや切れ、変形のない成形体をつくるために、金型の中を流れる原料の速さを一定にすることが重要です。

運動会の人脚競争をイメージしてみてください。ペースの異なる人が1人でもいると、人の列は直線を保てずに曲がってしまいます。押出成形でも、場所によって原料の流れる速さが異なると断面形状は変形し、成形体は曲がってしまいます。また人のペースがさらに大きく乱れると立っていることさえできずに倒れてしまうように、押出成形では成形体が裂けたり潰れたりしてしまいます。そうならないためには、人が歩幅と走る方向を揃えることが大切です。全員の体格や体力が同じくらいならより良いでしょう。

つまり押出成形でいえば、原料の密度や成分、特性を均一にして、製品に合わせた形状や材質の金型に一定の速さで流すこと、これらを満足させて初めて高品質の製品をつくることができるのです。

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生産性を上げるには、速く成形することが必要ですが、押し出す圧力を上げるだけでは摩擦による温度上昇で原料の特性が変わったり、装置や金型の摩耗が激しくなるなどの問題が起こります。また水分量を増やして原料を軟らかくしても速く押し出すことができますが、原料が軟らかすぎると成形体の強度が低下してほんの少しの力で変形するため、切断時や乾燥工程に運ぶ途中で不良が発生しやすくなってしまいます。

したがって押出成形では、弱い圧力をかけるだけで金型内を流れ(流動性)、金型の外ではある程度硬くて変形しにくい(保形性)原料が理想となります。当社では、この相反する2つの性質のバランスを取るため、長年培ってきた技術をベースに、原料の密度や成分、特性についての研究を進めています。

製品の多様化や高機能化に伴って、より複雑で精密な成形が要求される方向にあり、既存技術による成形が難しくなってきています。ものづくりセンターではそういったニーズに対応するために、原料の性質や金型内での流れをよく観察して評価することで、精密な口金の加工や成形に必要な装置条件を検討し、さらに進化した押出成形技術の開発を進めています。

※今回の「原料」とは、粉体とバインダー、水を混ぜて練ったものを表しています

次回は、「成形(2)鋳込み成形」がテーマです。

参考文献
セラミック製造プロセス2 素木洋一著 技報堂出版(株)
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