ゼオライトの基礎知識

ゼオライトは組成的にケイ酸塩の1種で、ケイ酸塩の縮合酸の構造をとっています。構造の基本単位は四面体構造を持つ(SiO4)4−および(AlO4)5−です。基本単位が4つの頂点酸素をそれぞれ隣の4つの基本単位と共有することによって、次々と3次元的に連結して結晶を作っていきます。基本単位の連結の形式によって、いろいろな構造や空孔を持つゼオライトができあがります。

ゼオライトの基礎構造のでき方

ゼオライトの基礎構造のでき方

ゼオライトが持つ孔は、0.4〜0.8nm(1nm=10億分の1m)で、この小さな孔が3次元構造の中に規則的に存在しているため、ゼオライトは分子レベルで物質を分ける「ふるい」として活躍できるのです。

ゼオライト(MFl)の細孔膜式図

ゼオライト(MFl)の細孔膜式図

「分子ふるい」イメージ

「分子ふるい」イメージ図

多孔体の動画イメージ■分子ふるいの働きを模した動画を見ることができます。
(動画の再生にはFlashPlayerが必要です。お持ちでない方はこちらから入手してください。)
このページのトップへ
ゼオライトの名前

いろいろなゼオライトの構造を、国際ゼオライト学会(International Zeolite Association : IZA)ではアルファベット3文字を用いた構造コードで表記して分類しています。 ex )FAU、LTA、MFI…。
もう一つ、ゼオライトの分類方法として便利なのは、細孔径の大きさによる分類です。この場合、環構造中に含まれる酸素原子の数(ex.8員環、10員環…)で分類します。複数の大きさの細孔をもつゼオライトの場合は、一番大きな細孔でそのゼオライトを代表させます。

細孔の大きさ 模式図 ゼオライト種(構造コード)
小細孔
(8員環)
ANA、CHA、ERI、GIS、KFI、LTA、NAT、PAU、YUG、DDRなど
中細孔
(10員環)
AEL、EUO、FER、HEU、MEL、MFI、NES、TON、WEIなど
大細孔
(12員環)
AFI、ATO、BEA、CON、FAU、GME、LTL、MOR、MTW、OFFなど
超大細孔
(14員環以上)
CLO、VFI、AET、CFI、DONなど
このページのトップへ
ゼオライト膜
ゼオライト細孔径と分子サイズ

ゼオライト細孔径と分子サイズ

ゼオライトが持つ均一な骨格(細孔)による「ふるい特性」は、膜素材として他の無機材料には見られない特徴です。さらに、均一な細孔による形状選択性とあわせて、イオン交換特性や吸着能といった様々な特性が、ゼオライトの種類および組成によって選択・制御できるために、ゼオライトは非常に魅力的な膜素材なのです。では、実際にどのような分子を「ふるい分け」できるのか、一部を図で紹介します。

実用に耐える機械強度を持ちながらゼオライトを薄膜化するためには、多孔質な支持体への成膜が必要です。支持体としては0.1〜10μmの細孔を持つα−アルミナ、およびステンレスを主とする焼結金属が広く用いられています。他にはγ−アルミナ、ジルコニア、陽極酸化アルミナ、多孔質ガラスなども用いられています。日本ガイシでは、セラミックスメーカーである特色を生かし、多孔質セラミックス支持体上へ成膜したゼオライト膜を開発しています。

支持体上の膜イメージ

支持体上の膜イメージ

支持体上の膜SEM像

支持体上の膜SEM像

参考文献
「ゼオライトの科学と工学」
小野嘉夫・八嶋建明 (講談社サイエンティフィク)
「ゼオライト−基礎と応用−」
原 伸宜・高橋 浩 (講談社サイエンティフィク)
前へ次へ
このページのトップへ
ロゴ-日本ガイシ-