日本ガイシの
DXの取り組み
「Connect ! @DX」〜ヒト・モノ・コトをつなぐ〜
私たち日本ガイシはAIやIoTといったデジタル技術を活用し、製造や開発の現場にイノベーションを起こすため、2021年4月に新たにDX推進統括部を立ち上げました。私たちが思い描くのは、デジタル技術によってヒト・モノ・コトのつながりが生まれ、誰もが幸せに暮らす未来。そんな価値ある未来を創造するために、日本ガイシは本気でDXに取り組んでいます。
About
日本ガイシのDXとは
「日本ガイシのDXとは」をテーマに、DX推進統括部 統括部長 近藤がインタビュー形式でご紹介いたします。
※インタビュー内容、役職、所属は取材当時のものです。(2023.3.31時点)
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DX推進統括部のミッション
社員一人ひとりの業務とデジタル技術をつなげ、業務変革を支援・推進
既存プロセスの深化の先にある、
新たな価値の創造に向けて私たちが得意としてきたのは、アナログ的なモノづくり。長い時間をかけて積み上げた技術やノウハウを人伝いに受け継ぎ、他社にはない独自性・優位性を確保してきました。
そうした中、デジタル化へと大きく舵を切ったのが今から10年ほど前のこと。グローバルな競争が激化する中、独自性・優位性を保ち続けるためには、定性的な技術やノウハウを、定量的なデータとして蓄積することで、生産効率をさらに高めることが必要だと考えたからです。さらに時代は進み、昨今では新型コロナウィルスといった疫病、異常気象が引き起こす災害、AIの急速な進化など、社会の変化を予測しづらい状況、いわゆる「VUCA」の時代を受けて、私たちもこれまでにはない新たな発想のモノづくりが求められるようになりました。収集したデータを活用して業務の根本から見直す必要に迫られたのです。
そうした背景を基に、DX推進統括部が誕生しました。私たちに与えられたミッションは「社員一人ひとりの業務とデジタル技術をつなげ、業務変革を支援・推進する」ことです。このミッションを達成するため、まず取り組むのが製造現場での既存プロセスの深化です。職人の経験やノウハウをデータ化することでより品質の高い製品を生み出すほか、材料調達から納品までのシームレス化で生産効率の向上を図ります。
ただし私たちのゴールは、既存プロセスの深化のみではありません。将来は社会に貢献できるような新製品・新規ビジネスモデルの創出も見据えています。決して簡単ではない大きなチャレンジになりますが、日本ガイシのDXが見据えるゴールは「ヒト・モノ・コトをつなぎ、社会に幸せを提供する」ことです。NGK Group Digital Vision
DXを「5つの変革」の推力として、
「第三の創業」を実現し、カーボン
ニュートラルとデジタル社会に貢献する2030年 データとデジタル技術の活用が
当たり前の企業に変革※1 経営・業務・ITのバランスがとれた施策を打ち出せる人材
※2 マテリアルズ・インフォマティクス。AIの中核技術である機械学習やビッグデータなどの情報科学を新材料・新素材開発に生かす取り組み
※3 プロセス・インフォマティクス。情報科学を、新プロセス開発に生かす取り組み
※4 サイバーフィジカルシステム。現実世界から収集したデータを仮想空間で再現、分析し、現実世界にフィードバックすることで価値創造する取り組み -
Section - 02
DX推進統括部の3つの戦略
人材育成・技術確立・プロジェクト推進を軸に展開
すべての業務でデジタル技術を
活用する企業へと変革NGKグループデジタルビジョンでは、「人材」「デジタル」「組織・風土」を施策の柱として設定しています。
【戦略1】人材
NGKグループでは経営層を含む全社員へのDX啓発活動として、DXに関する講演会や他社との交流会の実施、社内ポータルサイトの活用などにより情報発信を行っています。
2030年までには1,000人のデータ活用人材を育成することを目指し、階層別教育を推進しています。2021年からは各部門のDXを牽引する人材の育成に注力し、本業とは兼務をせずにデータ分析やデジタル技術を学ぶ社内留学制度を導入しています。【戦略2】デジタル
データ利活用基盤の構築をテーマに、誰もが容易に活用できるデータプラットフォームの構築を進めているほか、NGKグループ全体のITセキュリティー対策の見直しや強化にも注力しています。
プロセス・インフォマティクス(PI)やサイバーフィジカルシステム(CPS)など、次世代技術の開発・運用も積極的に進めており、全社プロジェクト「MI(マテリアルズ・インフォマティクス)」では、材料開発のリードタイムをこれまでの10分の1に短縮することを目指します。あわせて、NGKグループ全体のITセキュリティ対策の見直し、強化にも取り組みます。具体的には、NISTの考え方に準じ①標的型攻撃防御システム ②検知力強化としてSOC+EDR ③ウイルスに破壊されにくいセキュアなバックアップの導入を2024年度末までに、NGKグループ全社に適用します。
【戦略3】組織・風土
経営層の強いコミットメントにより、DX推進が経営戦略の一部であると周知・浸透させるとともに、グループ一丸となって取り組むDX推進体制を構築していきます。
海外拠点との連携強化として、全社共通のKPIを定めることで同じ目標に向かってグローバルなDXを進めています。NGKグループの社員一人ひとりが業務の変革に意欲的に取り組む「変革マインド」の醸成に努め、現状100件/年のDXプロジェクトを300件/年に増やします。この3つの戦略を推し進め、部署同士や顧客を含めたすべての業務において、デジタルを活用するという企業文化を醸成することもゴールのひとつに見据え、取り組んでいきます。
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Section - 03
DX推進統括部の役割
コンサルタント機能を持つ“クロコのクロコ”
デジタル技術で
会社を支える縁の下の力持ち全社的なDX活動の企画立案や萌芽技術の開発を進める「DX推進部」、品質改善のためのデータ分析や工場の生産計画、実績データを一元管理するシステムの企画、設計などDX推進のための実行部隊となる「データ活用推進部」及び「データ連携推進部」、基幹システム、ITセキュリティーといった 情報システムの企画・開発・運用を担当する「ICTセンター」の4つの部署から成り立っています。私たちが気を付けているのは、単なるシステムインテグレータにならないこと。さまざまな現場にある課題・問題を見つけて、解決に導くコンサルタント的な役割を果たしていきます。決して目立つことはありませんが、デジタル技術で会社の下支えをする“クロコのクロコ”となることが、私たちの目指す姿です。
DX推進統括部内組織図
2023.4.1より
各部の紹介
DX推進部
全社DX活動の企画や取りまとめなどを行うのが、DX推進部です。推進グループは活動推進のためのDX啓蒙活動および新技術の調査・探索を担当。全社プロジェクトであるMI※1の取り組みの中でエンジニアリングチェーンの上流、製品設計の技術革新にも挑戦しています。管理グループはDX推進統括部の運営、全社情報関連の設備投資事務局に関する業務を行っています。
※1マテリアルズインフォマティクス
データ連携推進部
生産現場を中心としたエンジニアリングチェーン・サプライチェーンをデジタルで連結し、DXを推進する実行支援部隊が、データ連携推進部です。受注・生産・在庫などのデータを一元管理するシステムを設計・導入し、高品質な製品を効率的に提供する日本ガイシのモノづくりを支えています。
データ活用推進部
社内に存在する様々なデータを価値化する業務およびその様なデータを活用し変革を推進する人材を育成する役割を担っているのがデータ活用推進部です。モノづくり現場においては原価低減に資する生産性向上、品質改善や在庫低減、等を目的としたデータ分析の取り組みを行っています。
ICTセンター
ICT※4センターは、情報システムの企画・開発・運用を担当。デジタルやITをベースに全社業務改革を支援するとともに、ITセキュリティーの構築および基幹システムの安定運用、社内外の通信やネットワークといったICTインフラの管理運用を担い、全社のICTを支えています。
※4インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジー
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DX推進統括部が求める人物像
必要なのは専門知識ではなくチャレンジする気持ち
多種多様な人材が貴重な戦力として活躍中
例えば、機械系の学部で学んできたある社員Aさんは、製造現場のこともデジタルのこともそれほど詳しくありません。それでも積極的に現場へ出掛け、さまざまな人と会話し、現場での困りごとを聞いてきます。課題を見つける力も大切な能力。コミュニケーション力に優れたAさんはDX推進統括部にとって欠かせない戦力です。
経済学部出身の社員Bさんは、財務の視点で製造現場の問題点を洗い出してくれる貴重な存在。境界領域で活躍し、他にはない視点を持つBさんのような人材は、私たちの技術力を高める源泉だと考えています。
このように、DX推進統括部では多種多様な人材が活躍しています。デジタルやITに関する専門知識も必要ですが、DXで会社を変革していくのに大切なのは気持ち。新しい職場で新しいことにチャレンジしたいという学生を、私たちは求めています。
DX推進統括部
社員Interview
NGKグループのDX
データとデジタル技術を活用した
企業変革の実現へ