1980年代に国産初のセラミックフィルターを生み出した日本ガイシは、幅広い用途に対応できる分離膜をラインナップしています。1ナノメートル以下の細孔径をもつサブナノセラミック膜は「分子のふるい」として注目されています。
「サブナノセラミック膜」は、10億分の1メートル以下の小さな孔で二酸化炭素(CO2)とメタン(CH4)の、わずかなサイズ・構造の違いを正確にふるい分け、混合ガスからCO₂だけを取り除くことができます。
カーボンニュートラルの実現に向けて、革新的な分離プロセスをかなえる注目の技術です。
サブナノセラミック膜の基材はレンコン状の多孔質セラミックス。1,600本のセルの内面全てにわたり緻密に形成した膜の面積はなんと12m2で、世界最大級のセラミック製の分離膜となります。
サブナノセラミック膜を用いた分離装置は、省エネルギー&省スペース。従来の方式に比べるとCO2排出量を大幅に低減でき、しかも低コスト。性能も抜群で、従来品(高分子膜)と比べて、高圧・高CO2濃度下でも高性能で長寿命です。
たとえば天然ガスの精製では、高分子膜に比べて分離ロスを10分の1に低減し、より多くの天然ガスを効率よく生産できるようになります。また、油田の排出ガスからCO2を分離して地下に貯蔵すれば、地球温暖化防止にも貢献します。
CO2を分離・回収して
再利用するために活躍!
日本ガイシのサブナノセラミック膜は、「分子のふるい」。分離プロセスの常識を覆す大きな可能性が、10億分の1メートルの小さな世界に秘められています。CO2を有効利用する「CO2-EOR」(二酸化炭素原油増進回収法)において、サブナノセラミック膜は活躍が期待されています。分離したCO2を地下に貯めれば、地球温暖化対策にも貢献します。