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データ爆発

半導体製造装置の見えないコア部品、
ウエハー加工用ステージ

データ爆発時代の半導体需要に呼応する

私たちはいま、人類史上かつてないデータ流通量の爆発的な増加のただなかにいます。人工知能「AI」や高速通信規格「5G」が普及して、さまざまなモノがインターネットにつながるIoT時代を迎え、熱を帯びてきたのがメモリ素子やロジック素子など半導体の需要です。

半導体は、大容量かつ低コストであることが要求されるため、高集積化に向けた技術革新が日々進んでいます。同時に、半導体の製造装置や、その部品にも高性能化が求められています。

ウエハーを保持して、チップ生産を効率的に

半導体製造工程のうち、ウエハーを加工してチップをつくるプロセスで活躍するのが「ステージ」とよばれるセラミック部品です。
加工中にウエハーを保持する台であるステージは、成膜、レジスト除去、エッチングなどの工程で、ウエハーとともに高温プラズマや腐食性ガスに絶えず曝されます。こんな過酷な環境でも、耐食性、熱伝導性、絶縁性をもつステージがウエハーをしっかり保持し、高い生産効率を支えています。

また、セラミックヒーターと一体化したステージもあり、全体を均一に加熱する機能を発揮します。均一加熱によって積層する膜質の向上が期待できるのです。導線などを保護するため、底面にシャフトを接合した日本ガイシ独特の構造をもつステージが活躍しています。

培ってきたセラミック技術が生んだ、頼りになる高性能部品

日本ガイシのセラミック技術が生んだ高純度の窒化アルミニウム製ステージは、抜きん出た忍耐力を持つ我慢強い支持台であるばかりでなく、幅広い温度調整などの機能をカスタマイズした製品です。人目は触れることはまずありませんが、実はデータ爆発時代の半導体製造装置になくてはならないコアな部品なのです。

半導体ウエハー加工用ステージ

ライター

古郡 悦子ふるこおり えつこ

科学技術ジャーナリスト

東京大学理学部化学科、教養学部教養学科を卒業。製薬会社に勤務するかたわら、科学雑誌に記事を書くようになり、研究者や技術者を取材するワクワク感にはまった。以来、科学・技術とその周辺について記事執筆、調査、企画、編集などを手がける。MIT科学ジャーナリズムフェロー、サイテック・コミュニケーションズ創業メンバー。

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