日本ガイシ株式会社

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1997年05月13日

水道用セラミック膜浄水システムを商品化

日本ガイシ株式会社(社長:柴田昌治、本社:名古屋市)は、医薬・食品分野で実績のある自社製セラミック膜を使用した水道用セラミック膜浄水システムを開発し、平成9年3月に京都府天田郡(あまだぐん)三和町(みわちょう)に納入しました。セラミック膜を使用した浄水処理設備としては国内初で、平成10年2月から運転を開始する予定です。

今回納入したシステムは、長さ100cm、直径3cmのアルミナ製のモノリス型(レンコン状)セラミック膜を150本収納した膜モジュールを4基使用しており、膜の最大孔径は0.1µm、膜面積は72m2×4基=288m2。計画浄水量は424.6m3/日です。

日本ガイシでは、膜面積19m2から73m2までの7タイプの膜モジュールの水道用技術認定を、(財)水道技術研究センターから取得し、中小規模水道向けのさまざまな浄水量に対応した製品を開発しています。また今回の実績をベースに拡販を進めたいと考えています。

1. 背景

  1. 簡易水道での浄水処理は一般に「緩速ろ過」または「凝集沈殿+急速ろ過」で行われていますが、水源地域の森林伐採による土砂類の流入や生活圏の広がりによる排水流入など、水源水質の悪化に対応する必要が生じてきました。また、人口増加に伴う水量規模の拡張や簡易水道の統合が行われる場合、用地の確保が困難になっていることから、装置のコンパクト化も必要となる他、簡易水道に従事する技術者不足の問題から維持管理の簡素化や運転の自動化も要求されています。
  2. 日本ガイシでは、簡易水道の抱えるこれらの問題を解決する技術として膜ろ過技術に着目し、平成元年度からセラミック膜を応用した浄水システムの開発に着手。平成3年度からは中小規模水道への膜ろ過技術の適用を狙った厚生省のプロジェクト研究『MAC21計画』(膜利用型新浄水システム開発研究,平成3年11月〜平成6年3月)にも参画してきました。

2. セラミック膜の特長

セラミック膜は、

  • 原水変動に関わらずろ過膜孔径以上の濁質の除去が可能で良質なろ過水水質が得られる。
  • 沈殿池や急速ろ過池などが不要で、少ない用地(「緩速ろ過」「凝集沈殿+急速ろ過」に比べ1/2〜1/3程度)で建設が可能。

など、一般的な高分子膜などを使用した膜ろ過技術の特長に加え、

  • 膜を構成している細粒層の細孔分布が均一であるため分離精度が高く、細菌レベルまでの完全な除去が可能。
  • セラミックスであるため耐食性に優れ膜の変質がない。
  • 耐薬品性に優れており、高分子膜に比べ薬品洗浄条件の選択の範囲が広く、ほぼ初期状態にまで膜性能を回復させることができる。
  • 粒径の異なった3つの層(細かい方から細粒層,中間層,支持層)からなる非対称膜構造のため、対称構造に比べて圧力損失が低く、逆洗回復性が良好。
  • 機械的強度に優れており、膜構造の経年劣化がないため長い膜交換寿命を持つ。

といった特長を持っています。

3. 水道用セラミック膜浄水システムの特長

優れた浄水水質を確保
セラミック膜の高精度な分離特性により、孔径以上の懸濁粒子や大腸菌などの細菌類まで分離除去できます。また、本システムでは前塩素処理が不要であるため原水中の有機物と塩素が反応してできる有機塩素化合物(トリハロメタン)の生成を抑えることができます。
独自の逆洗方式により膜ろ過性能の回復が良好
セラミック膜の機械的強度を活かし、膜ろ過水と圧縮空気を使用した逆洗方式を採用。膜ろ過性能の回復が良好で、6〜12時間にわたる連続ろ過運転が可能となり、逆洗に使用するろ過水も少ないため、原水に対する浄水の回収率は99%程度となります。また台風や大雨によって原水濁度が急激に変動した場合でも、逆洗による膜ろ過性能の回復が良好なため、安定した運転が可能です。
維持管理が容易
凝集処理が簡素化でき、煩雑な凝集注入管理が不要となります。また原水槽設備、膜ろ過設備の全自動化により無人運転が可能です。膜ろ過の場合、維持管理項目として薬品洗浄と膜交換が必要となりますが、薬品洗浄は、年に1〜2回程度、膜交換は、セラミック膜が機械的強度に優れており変形しないことと、薬品洗浄によりろ過性能がほぼ初期状態に回復することから12年に1回程度と推定しています。

<ご参考>

「緩速ろ過」
原水水質が比較的きれいな場合に適する浄水方法で、原水中の懸濁物質を沈殿池で除去した後、緩速ろ過池で遅い速度でろ過する浄水方式。緩速ろ過は、砂ろ過材の表層の生物膜により不純物を取り除く方式で、「凝集沈殿+急速ろ過」に比べ作業や管理が容易でろ過水質も安定しているが、ろ過速度が小さいため広い用地を必要とする。
「凝集沈殿+急速ろ過」
原水を薬品によって凝集沈殿処理して濁質物質をできるだけ沈殿池で除去した後、「緩速ろ過」の30倍程度の速度で砂ろ過する浄水方式。緩速ろ過より幅広い水質に対応できるが、得られる水質は凝集沈殿処理の良否に依存しており「緩速ろ過」に比べ処理操作に特別の技術が必要となる。

<添付資料>

膜利用型浄水処理

膜利用型浄水処理

「凝集沈殿+急速ろ過」浄水処理 フロー

「凝集沈殿+急速ろ過」浄水処理 フロー

水道用セラミック膜浄水システム 膜処理設備 写真

水道用セラミック膜浄水システム 膜処理設備 写真

セラミック膜 写真

セラミック膜 写真

セラミック膜の断面構造

セラミック膜の断面構造

濁質除去対象範囲

濁質除去対象範囲

以上


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