DX推進事例

エネルギーマネジメントのDXでNAS電池の最適運用を実現

NGKグループ環境ビジョンでは2050年までに二酸化炭素(CO2)排出量ネットゼロを掲げています。目標実現の戦略の一つとして「再生可能エネルギー利用の拡大」に取り組んでおり、エネルギーマネジメントのDXを進めています。なかでも大容量蓄電池「NAS電池」の特性を生かした、エネルギーマネジメントシステム(EMS:Energy Management System)の構築に注力しています。

独自EMSの設計・実証を開始

名古屋事業所内に設置した定格出力1,200キロワットのNAS電池

NGKグループは国内4拠点に総出力6,800キロワット、総容量4万8,800キロワット時のNAS電池を設置しています。従来の用途であるピークカットや非常用電源に加え、現在はデマンドレスポンス(DR:Demand Response)や再生可能エネルギーの利用率向上のためにNAS電池を活用し、その運用価値を高めています。

当社では電力の需要家としてNAS電池の能力を最大限に生かせるよう独自のEMSを開発し、太陽光発電装置(PV:Photovoltaics)が導入された国内2拠点で実証を進めています。

EMSによるデマンドレスポンス、再生可能エネルギーの利用率向上

EMSでは工場の需要電力とPVの発電電力を予測してNAS電池の充放電を自動制御し、DRでは受電電力を指令に応じ変化させることで調整力を供出します。このEMSにより非常用電源として必要な容量を確保した上で各種用途に対応し、NAS電池の最適運用を実現します。

※ 調整力とは:電力系統は常に需要と供給が一致するように運用され、電力の安定供給が実現されています。天候により出力が変動する太陽光発電や風力発電の導入を拡大するためには、その出力変動や予測誤差を補う「調整力」が必要となり、需給バランスを維持する上で重要な役割を担います

NGKセラミックデバイス多治見工場に導入したEMSの画面例。Webブラウザーから閲覧可能

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