DX推進事例

エネルギーマネジメントのDXで脱炭素・経済循環システムの確立へ

NGKグループが推進する活動の一つがエネルギーマネジメントのDXです。新たな価値創出によりカーボンニュートラルの実現に貢献していきます。

ブロックチェーン技術を活用して再エネトラッキングの実証事業を開始

日本ガイシは2022年4月から株式会社リコーと協業して、恵那電力株式会社(以下、「恵那電力」)の再生可能エネルギー(再エネ)の発電から消費、余剰発電のNAS電池への充放電も含めたすべてのプロセスのトラッキング(追跡)を、ブロックチェーン技術を活用して行う実証事業に取り組んでいます。

恵那市の公共施設で発電され自家消費された再エネ電力の消費はトラッキングされ、二酸化炭素(CO2)削減量として市が保有する環境価値とみなされます。

※ 環境価値:再エネ活用や省エネ化により、地球温暖化の原因の一つであるCO2排出量の削減に寄与することで与えられる付加価値。化石燃料などの従来エネルギーによる電力には電気としての価値がありますが、再エネからの電力は電気価値に加えて環境価値という二つの価値を持っています

日本ガイシとリコー 再エネトラッキングの実証事業を開始へ

環境価値をクレジット化し、環境と経済を好循環させるスキームを構築

2022年10月からは恵那市、株式会社リコー、株式会社IHIとともに、恵那電力の再エネによる発電および売電事業を通じて恵那市が得た環境価値を経済的に有償な価値(以下「クレジット」)に変換し利用する脱炭素・経済循環システムの実証事業を開始しています。

この実証事業では、創出されたクレジットを恵那市内で活用し、市外からの資金還流を生み出す仕組みも構築し、地域経済の活性化、さらなる再エネ導入拡大のサイクルを回します。

本実証事業を通じて、恵那市のゼロカーボンシティ実現に貢献するとともに、全国の自治体のモデルケースとなる脱炭素・経済循環システムを確立し、2050年カーボンニュートラルの実現を目指します。

恵那市、日本ガイシ、リコー、IHI 脱炭素・経済循環システムの実証事業を開始

脱炭素・経済循環システムの概略を表す図です。恵那電力から恵那市に再エネ供給すると同時に、リコーの再エネ流通記録プラットフォームを通して恵那市で発電され自家消費された再エネ電力をトラッキングします。再エネ自家消費データはCO2削減量として市が保有する環境価値とみなされます。恵那市が得た環境価値をIHIが開発した環境価値プラットフォームによりJクレジット制度を通してクレジット化します。クレジット化された市保有の環境価値を市内の事業者や生産者に売却することで、環境価値が付加されたカーボンオフセット商品の送出を促進します。
脱炭素・経済循環システムの概略図

恵那電力株式会社について

恵那電力は、日本ガイシ、恵那市、中部電力ミライズ株式会社により、2021年4月に設立された地域新電力会社です(2022年4月事業開始)。太陽光発電設備と電力貯蔵用NAS電池を自社保有し、固定価格買取制度(FIT制度)を利用しない自立した再生可能エネルギーの活用と経営安定性、自然災害への対応力強化などを特徴とする「恵那モデル」により、エネルギーの地産地消によるゼロカーボンシティの実現を目指しています。

恵那電力

関連情報