当社が製造し、三菱マテリアル株式会社(本社:東京都千代田区)筑波製作所殿(茨城県常総市)に設置されている東京電力殿所有の電力貯蔵用NAS(ナトリウム硫黄)電池において、2011年9月21日に火災が発生いたしました。この火災により、屋外の専用パッケージ内に設置されていたNAS電池が焼損いたしました。お客さまの建物・設備への延焼や人身の被害はありませんでした。
現在、消防当局が原因を調査中です。当社でも早期の原因解明に向けて、火災事故現場での調査はもとより、焼失していない電池の解体調査のほか、今回火災事故を起こしたNAS電池に関する設計、部品、製造、検査、施工など原因となり得るあらゆる可能性について、消防当局に協力して詳細に調査を進めてまいります。
火災事故発生直後から、火災発生前後の電池運転記録(温度、電圧など)の解析、製造履歴の調査、出火原因のFTA(故障の木解析)とそれに基づく燃焼のシミュレーションなどを順次実施してまいりました。
さらに火災の再現確認試験を行い、火災発生防止策も検討しております。
また、消防当局の現場検証に続き、火災現場から電池やパッケージ、残渣を引き取り、調査に入りました。
これらの調査・検討には、消防当局のご指導の下、NAS電池事業部門のみならず、全社の技術部門の総力を挙げて取り組んでおり、社外の有識者の知見も加えた客観的な原因究明活動を行っております。
今後も調査の進捗状況に応じてご報告してまいりますとともに、原因が究明でき次第、発表いたします。
株式会社高岳製作所(本社:東京都中央区)小山工場殿(栃木県小山市)で2010年2月15日に発生いたしました。このNAS電池は高出力タイプの初期型で、高出力を得るためにモジュール電池内の全ての単電池を直列に接続したタイプでした。今回火災事故を起こしたNAS電池は標準タイプであり、タイプは異なりますが、お客さまに設置されているNAS電池で発生した2回目の火災事故であり、当社としては重大な事態と受け止めております。また、2005年2月には当社のNAS電池工場(愛知県小牧市)で火災が発生しております。これは検査のために、通常運転中にはかかり得ない高電圧をかけている際に発生したものです。
原因が究明され再発防止策を講じるまでの間、安全に万全を期するため、火災発生後ただちにNAS電池をご使用中の全てのお客さまに対して運転停止をお願いするとともに、非常用電源などの必要最小限の機能を維持する必要があるお客さまには、個々にご相談させていただいております。
今後、消防当局のご指導を受けて原因の究明とそれに基づく追加の安全対策を確実に実行するとともに、まずはNAS電池を安心して使用していただけるよう、既設の電池に対してこれらの安全対策を施し、運転再開を進めてまいります。
2011年3月末時点で、国内と海外5カ国(アメリカ、アラブ首長国連邦、フランス、ドイツ、イギリス)で合わせて174カ所、305,000kWのNAS電池が使われております。
販売活動は停止しておりません。ただし、販売活動においても安全対策のための取り組みが中心になっていることから、新規の商談については、火災事故の原因究明と再発防止策の検討状況を踏まえながら個別にご相談させていただきます。
火災事故発生直後から製造・技術各部門ともに原因究明と再発防止策の検討とお客さまへの対応に注力しており、当社の判断で自主的にNAS電池の生産を中断しております。
今後、原因の究明とそれに基づく追加の安全対策を確実に実行し、安全対策を織り込んだNAS電池の生産再開を来年度の前半を目標に取り組んでまいります。
NAS電池の2012年3月期の売上高見通しは、火災事故に伴う出荷の繰り延べにより、2011年5月予想の280億円から8億円へ減少いたします。利益面では、下期に生産を想定しないことから工場での損失も加わり、NAS電池事業を含む電力関連事業全体で、営業利益が2011年5月予想に比べて90億円減少いたします。
2012年3月期の全社業績への影響につきましては、詳細が未確定の部分はありますが、調査・改修などの安全対策費や資産評価減などを合計し、約600億円の特別損失が発生するものと見積もりました。原因究明と安全対策とともに、これらの費用面も引き続き精査して引当計上する予定であり、この特別損失の計上による当期純利益への影響額として約500億円の減少を見込んでおります。
詳細につきましては、2011年12月19日付のニュースリリース「
NAS電池の火災事故への対応と今後の取り組みについて (PDF:147KB)」をご参照ください。