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特集C1が紹介する「C1と水」に関する世界遺産の旅をご案内します。
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"世界遺産"シリーズ2 熊野古道を行く

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南紀白浜で知られる紀伊半島の海辺は深い山を背負っている。当然、川の流れも急激に海へと至る。その象徴的存在が那智の滝だろう。落差133m。すさまじい滝音を聞きながら「お滝拝所」で水煙をあびていると、滝がご神体そのものといわれても納得がいく。

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古く、那智の滝を祭ったことから起こったのが熊野那智大社。ここに至る大門坂は、古道の面影をもっとも美しくとどめた道といわれ267段の石段が続いている。 それにしても……熊野を巡る旅には、なぜこうも石段が立ちふさがるのか。那智大社しかり、神倉神社しかり、熊野大社本宮も石段の先にあった、ぶつぶつ文句を言っていると「簡単に来れないから、ありがたいんだよ」と同行者の言。

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世界遺産は数多くあるが、「道」が含まれた世界遺産は「スペインの巡礼路」と「紀伊山地の霊場と参詣道」だけだという。登録地は熊野三山、高野山、吉野・大峯の広範囲に渡り、これらを結ぶ300km以上の古道も世界遺産に指定されている。
長い長い参詣道の中で、古道の雰囲気を手軽に味わえるルートとして人気が高いのが、紀州田辺から熊野本宮大社を経て那智大社に至る「中辺路」だろう。手軽といっても甘く見てはいけない。しっかりした準備と、体力が必要だ。
大挙して観光バスでやってきた60代とおぼしき女性たちとすれ違った。「温泉入っておいしいもん食べて、極楽極楽と思っていたら、こんなとこ歩かねばいかんとは」「古道の旅なんだから、しょうがないでしょ」。皆、杖を手に山の斜面を登っていく。バスに戻るまで、あと1キロ以上歩かなければならない。

昔人も歩いたトレッキングルート。

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古道といえば「石畳」のイメージもあるが、実際歩いてみると、ほとんどは土の道。すなわち山道である。どこの登り口からも古道は一気に高度を上げて、山懐に入っていく。これがけっこうきつい。 息を切らして一歩一歩登るうちに、やがて勾配はフラットになり、快適なトレッキングの趣に変わる。さっきまで車が走り、人の気配がしていたのが急激に薄れ、弘法大師や修験者たちが歩いていた頃と変わらない静けさがやってくる。

和泉式部や安倍晴明もこの道を歩いたのか?と思いを巡らせていると、かつて参詣者たちの休憩所だった「王子」に行き当たった。 平安時代の貴族たちは、ここで歌会などを催しながら休息したとのこと。歩く行程は同じでも、時間と心のゆとりになんと違いがあることか。
熊野古道は、急ぐことの愚かさを教えてくれる道である。そういえば喉を潤すために立ち寄った「野中の清水」で出会ったご夫婦は、週末毎にルートを決めて、古道を少しずつ歩いていると話していた。どっかりと腰をおろして味わった野中の清水は、まろやかな味だった。