セラミックス事業

将来の展望

生産設備投資を進めつつ、時代が求める製品を開発へ

まず、自動車関連の主要製品について先行きを概観していきます。ハニカムについては、総需要が世界の乗用車(新車)販売台数とおおむね連動するものの、一部はGPFへの置き換えが進み、販売台数の伸びを若干下回る見通しです。

ディーゼル車に対応するDPFは、中国・インドほか新興国でトラック・オフロード車に対する排ガス規制強化が進む中、特に中国のトラック向け需要の拡大を見込んでおり、大型担体についても、中国市場のトラック販売台数増や新興国での排ガス規制強化により需要が増えるものと見ています。

GPFは、欧州において2018年度に出荷が本格化し、さらに中国においても次年度以降、需要が立ち上がるものと予想しています。

NOxセンサーについては、欧州の排ガス規制の強化でディーゼル乗用車1台当たりのセンサー搭載本数が増加しており、需要が大きく伸びる見通しです。

これらはいずれも内燃機関用の製品ですが、昨今は、各国政府や自動車メーカーによるEV普及策や、欧州のディーゼル車比率低下に関する報道が相次いでいます。しかし当社は、エンジン搭載乗用車は2025年ごろまでは増加すると見ており、2025年~2030年段階でも、EVなど非内燃機関乗用車の占める割合は6~12%にとどまると想定しています。

ディーゼル車については、2025年ごろまでに小型車はほぼなくなると見ていますが、トルクを要する大型乗用車や商用車では現状のディーゼルが残ると考えます。

こうした想定のもと当社は現在、ポーランド第2工場でSiC-DPF増産に向けた設備投資を行っています。今後、需要の動向を見極めた上で、老朽化した第1工場の設備を順次停止し、コスト競争力の高い第2工場の新ラインへ生産をシフトする予定です。

自動車業界は今、100年に一度の変革期にあると言われます。そうした時期に必要なのは、基本に立ち返ることです。安全、環境、品質、CSRといった業務の基本を肝に銘じつつ、当社にしかできないものを、顧客の要望が具体化する前にプロアクティブに提案していきます。

例えば、自動車のハイブリッド化に伴い、エンジンの一時停止で排気温度が下がり、触媒が働く温度に達しないケースが増えると見られますので、触媒を電気的に加熱し浄化性能を高める新製品も現在開発しています。

ただ、当事業本部の製品には、成果がすぐに出るものはなかなかありません。最低でも5、6年、中には10年かかるものもあります。ユニークな材料技術に独自の生産技術を組み合わせられるという当社グループの強みを生かしつつ、奇策に頼らず、次の時代に求められる製品は何かを追求するという"王道"を歩みたいと思います。

GPF(ガソリン・パティキュレート・フィルター)
ガソリン車用のPMフィルターです。燃費性能に優れ、馬力もある直噴ガソリン車で採用されています。

大型ハニセラム(LSH)
大型ディーゼル車用のハニセラム(写真右)。担持する触媒によって排ガスに含まれる炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)を除去します。

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