セラミックス事業

セラミックス事業本部長が事業概況を説明

プロフィットセンターを担いつつ、新製品立ち上げを目指す

常務執行役員 セラミックス事業本部長 森 潤の写真です。 常務執行役員
セラミックス事業本部長
森 潤

着任の抱負:
変化を恐れず、前向きに

1976年に自動車排ガス浄化用触媒担体ハニセラムの製造販売を開始してから45年。社会の変化や事業環境の変化に対応しながら技術を磨き続けてきました。しかし今、自動車業界は100年に一度といわれる大きな変革期にあります。この先私たちに必要なのは、変化を否定しない、恐れないことです。セラミックス事業本部は、風通しがよく、活発に意見をいえる組織だと感じています。皆で議論をしながら変化に備え、変化を自分ごととして前に進んでいきます。

「NGKグループビジョン」実現に向けて:
独自の技術でカーボンニュートラルに貢献する製品を

NGKグループビジョンでは2050年に内燃機関向け需要がゼロになるシナリオを掲げ、2030年にはカーボンニュートラルとデジタル社会関連製品が売り上げの50%を占めるような事業転換を目指しています。

その間、今までの設備投資を回収するとともにプロフィットセンターとして利益を上げ続け、NGKグループを資金面で支える土台となることが、セラミックス事業本部の当面の責務です。

さらにその後を狙い、独自の技術を使った新製品を立ち上げていきます。具体的には次の三つの分野です。

一つ目はプラグインハイブリッド自動車(PHV)のほか、合成燃料(e-Fuel)向けの製品。将来的にも内燃機関車の一部は残ると考えており、その場合、排ガス浄化用製品が必要となります。ただし、もっと技術的に進化したものが求められるため、要求に対応する新製品を引き続き提供していきます。

二つ目は電気自動車(EV)向けの製品。ガソリン車に代わるEV車に、私たちの技術を活用した製品を探索していきます。例えば、ハニカム構造体に通電して温調する熱マネジメント向けの製品です。EVは航続距離が短いことがネックなので、いかに電力を使わずに熱マネジメントができるかが、課題の一つです。自動車メーカーにコンタクトしながら、一部開発を進めているものもあります。

三つ目は、自動車とは関連のない製品です。例えばNGKグループビジョンでこれからの新製品として掲げた、CO2吸着モジュールや固体酸化物形電気分解セル(SOEC)、e-Fuel用のハニカム構造リアクターなどを用いてCO2を吸着・回収する部品も私たちの技術を使って他部門と共同で開発できるのではないかと考えています。

これらを実現するためには新規事業探索やコア技術の研鑽が必要です。CN関連製品に私たちのどんな技術が使えるのか、先々を見据えて見極めていくことが今後の課題となります。

そうした未来を見据え、コア技術を磨くとともに、生産の効率化も進めていきます。「ハニカム・プロセス・デジタルトランスフォーメーション(HPDX)」という取り組みで、製造工程で得られるデータを分析し、ベテラン従業員の経験頼みだった材料の粘度や形状、水の量、温度、押出スピードなどの調整を自動化・省人化するものです。今後3年を掛けて完成を目指します。

また、生産現場のカーボンニュートラルを進めるため、焼成炉の燃料の切り替えも検討していきます。現在、CO2を大量に排出する天然ガスを使っています。これを水素やアンモニアなどへ切り替えます。電気炉であれば、NAS電池と太陽電池を組み合わせた自家発電や再生可能電力への切り替えです。海外工場は敷地が広いのでNAS電池が置きやすく、再生可能電力も入手が容易かつ安価なので、現実的な選択肢となってきます。

現状と見通し:
需要の変化に過不足なく対応

2021年3月期は新型コロナウイルス感染症の影響から、第1四半期に中国とポーランドを除く大半の海外工場で操業停止を余儀なくされましたが、下半期になって中国を中心に乗用車・トラックの販売台数が回復し、当事業本部製品の需要も急回復しました。感染対策を取りながら回復する需要にきちんと対応できたのは、従業員の頑張りのお陰です。通年では減収減益となったものの、期初の予想を上回ることができました。

現在、自動車排ガス浄化用触媒担体やNOxセンサーの需要が好調で、ガソリン・パティキュレート・フィルター(GPF)も事業として立ち上がってきました。需要に合わせた最適な生産を目指して対応します。

また、エンジン起動時から動作する新型NOxセンサー「デューポイントフリー」の事業立ち上げを進める一方で、電気加熱式触媒(EHC)の開発も、2025年~2027年の発売に向けて予定通り進めます。

私たちのコアコンピタンスは、現在の製品そのものではなく、開発・生産・評価の各領域にまたがる多様なセラミック技術と、お客さまとのコミュニケーション能力です。これらを用いて、カーボンニュートラルに貢献する製品を生み出していきます。

(インタビューは2021年6月に実施)

主要市場

【当社排ガス浄化用製品対象市場】
世界市場規模:5,000億円(2020年、当社推計)

主要顧客

【排ガス浄化用製品】
国内外の乗用車・トラック・農機・建機メーカー

事業別売上高比率

事業別売上高比率のグラフ

主要製品

ディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)

PMを最大99%除去。耐熱性に優れる炭化ケイ素製(写真左)は主に乗用車に、軽量なコージェライト製は大型車両に搭載されます。

車載用高精度NOxセンサー

ジルコニアの酸素ポンプ機能を応用した素子を内蔵しています。優れた検知力と耐久性により、世界中のクリーンディーゼル車に搭載されています。

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