ベリリウム銅合金は高強度、高導電性、加工性などの優れた特性を兼ね備えた合金で、コネクター、ICソケット、スイッチ、リレー、マイクロモーターなどの電子機器部品や自動車電装部品をはじめとしたさまざまな分野で使用され、製品の小型化、高信頼性を実現するために不可欠な材料となっております。
一方で、ベリリウム銅合金はベリリウムを含むため、法対応や安全衛生といった面で話題とされる場合があります。そこで、適正な理解を頂くため、ベリリウムに関する欧州REACH規則の動向について説明いたします。
欧州REACH規則とは、2007年6月に施行された、EUにおける化学品の登録・評価・認可および制限に関する規則です。この規則では、市場で用いられる化学品を物質・調剤・成形品の3つに分類していますが、顧客が使用するベリリウム銅合金は、下表の通り、成形品に該当します。
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定義 | ベリリウム含有物質における分類 |
|---|---|---|
| 物質 | 化学元素とその化合物 | ベリリウム、酸化ベリリウム |
| 調剤 | 2つ以上の物質からなる混合物 | ベリリウム銅母合金(鋳造用) |
| 成形品 | 化学組成よりも機能を指向するよう、特定の形状、外面、あるいはデザインを付与された物 | 顧客が使用する ベリリウム銅合金の棒線板条 |
欧州REACH規則には、下表のように、いくつかの要求項目があります。
しかしながら、ベリリウム銅合金を使用する顧客において、登録、届出などの手続は不要であり、ベリリウム銅合金の使用に制約は受けません。
各要求項目に関する詳細は、下記説明をご覧ください。
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物質の登録 | 成形品中の 物質の届出 |
認可 | 制限 |
|---|---|---|---|---|
| 顧客※ | 登録不要 | 届出不要 | 認可不要 | 制限受けず |
| 日本ガイシの EU域内子会社 |
登録予定 (顧客用途を網羅) |
届出不要 | ベリリウムがSVHCとされた場合、物質/調剤が認可対象となる可能性あり | 制限受けず |
※ベリリウム銅合金の棒線板条(成形品)を使用する顧客
また、欧州RoHS指令、欧州ELV指令など、他の環境法規制においても、ベリリウム銅合金の使用に制限を与えるものはありません。
REACH規則に対し、弊社のEU域内子会社(フランス)は、ベリリウムについて予備登録を完了しています。当該子会社はベリリウムコンソーシアムに加入し、2010年11月30日までに登録を完了すべく、準備を進めています。よって、ベリリウム銅合金を使用する顧客は、物質の登録が不要です。
REACH規則では、製造者または輸入者当たり年間で1トンを越える物質で、SVHC(高懸念物質)候補に該当し、成形品中に0.1%以上を超える濃度で含有される場合、届出の対象となります。
現時点では、ベリリウムは発がん性物質と位置付けられているため、SVHC候補とされる可能性がありますが、弊社のEU域内子会社(フランス)が顧客用途を網羅してベリリウムの登録をしますので、もし届出義務が発生したとしても、顧客におけるこの届出は免除されます。
現在、ベリリウムコンソーシアムが発がん性評価を実施しております。その結果、発がん性を示す結果は出ておりません。この結果を速やかに公表し、発がん性の位置付けの再検討を依頼する予定です。
EU域内でSVHCを使用するため、事業者は、EUに申請して認可を得る必要が有ります。しかしながら、認可対象は物質もしくは調剤中の物質です。弊社が顧客に提供するベリリウム銅合金の条材や線材、それを含んだ部品は成形品に該当しますので、認可対象とはなりません。
一般大衆に提供される発がん性物質またはそれを含む調剤は、EUでの製造、上市、使用を制限されます。弊社は、ベリリウムを含んだ物質及び調剤を一般大衆に提供することは有りません。弊社が顧客に提供するベリリウム銅合金は一切制限を受けておりませんので、ご安心ください。
現在、欧州REACH規則においてベリリウムは規制されていません。加えて、欧州RoHS指令、欧州ELV指令など、他の環境法規制において、ベリリウムの使用に制限を与えるものはありません。
日本ガイシは、ベリリウム銅合金を顧客に法規上問題なく安全にご利用頂けるように今後も努めて参ります。
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