日本ガイシは、独自の高度なセラミック技術を活かして、より良い社会環境づくりのお役に立ち、 社会に新しい価値をもたらす製品やサービスを提供しています。

日本ガイシとコンチネンタル社(ドイツ)は2010年4月、車載用の高精度NOxセンサーの開発で「PACE※アワード」を共同で受賞しました。PACEアワードは米国の大手自動車専門誌「オートモーティブニュース」が後援する著名な賞で、革新的な技術や開発で自動車業界に貢献したサプライヤーに対して与えられます。
NOxセンサーは、光化学スモッグや酸性雨などの大気汚染の原因となる自動車排ガス中のNOx濃度をppm(100万分の1)レベルでリアルタイムに測定できる世界初の車載用センサーです。今後ますます厳しくなる排ガス規制にも適合できる、低燃費でクリーンなディーゼル車の実現を可能にしたことが高く評価されました。
NOxセンサーは今後、欧米を中心にさらなる需要の拡大が予想されます。地球環境の保全に貢献できる製品として、社会とお客さまの期待に応えていきます。
※PACE : Premier Automotive Supplier's Contribution to Excellence
受賞記念のトロフィー
プロダクト・ヨーロッパ部門で
コンチネンタル社と共同受賞
NOxセンサー
日本ガイシのNOxセンサーが2010年10月、社団法人発明協会主催の中部地方発明表彰で特許庁長官奨励賞と実施功績賞を受賞しました。技術的優位性と実効性が高く、地域産業の発展にも貢献していることが評価されました。
半導体製造装置の内部で中核部品とされるのが、半導体基板材料のウエハーを載せる台として使われる静電チャックです。日本ガイシは、クーロン力(電気的に引き合う力)を利用してウエハーを吸着する機能を持つアルミナ製クーロン静電チャックを開発しました。
高純度のアルミナ(酸化アルミニウム)をち密な結晶体にすることで高い絶縁抵抗を実現。吸着力(クーロン力)を強くするために高電圧をかけても漏れ電流が少ないため、ウエハーへのダメージを低減できます。また、極限まで薄さを追求して熱伝導性を高めたことで、直径300ミリメートルものウエハーの温度を均一に調整することが可能です。
セラミックスの優れた特性を活かし、最先端技術が競い合う半導体製造プロセスで生産効率の向上に大きく貢献しています。
半導体の主要製造工程
雰囲気ローラーハースキルン
(試験炉)
日本ガイシが開発した「雰囲気ローラーハースキルン」は、車載用などで需要拡大が期待されるリチウムイオン電池の正極材など、各種粉体の焼成に用いられる高性能な焼成炉です。
焼成室を隔壁で細分化し、各室ごとに窒素ガスや酸素ガスを用いて異なる雰囲気の焼成条件を設定できます。各室独立で加熱できるため、非常に精密な温度制御が可能で、均一な加熱や多様な温度カーブを実現できます。
また、搬送機構の金属ローラーと材料粉体を入れる容器が接触する部分にセラミック部材を用い、摩擦によって生じる金属粉が材料に混入しないようにするなど、炉内の不純物混入防止対策を徹底しました。
さらに、独自開発の熱シミュレーションソフトと組み合わせることで、従来の50分の1以下の時間で最適条件を解析できるため、新規材料開発にかかる期間を大幅に短縮できます。
リチウムイオン電池の正極材のほか、チタン酸バリウム、酸化マグネシウム、薄型ディスプレーパネル用蛍光体、セラミックコンデンサーなどの材料の高性能化や開発の効率化を可能にします。
(左)セラミック製分離膜エレメント(直径180ミリメートル、全長1,000ミリメートル)
(右)水分離溶剤回収システム(テストプラント)
日本ガイシはセラミック製分離膜を用いた水分離溶剤回収システムを開発。2011年度に商品化する予定です。
分子レベルでの分離が可能な1ナノ(10億分の1)メートル以下の細孔径を持つ、世界最大(膜面積15平方メートル)のセラミック製分離膜を使用。溶剤や酸、アルカリなどに対する耐食性が高く、幅広い水分やpHの範囲で使用できます。1ナノメートル以下の細孔径を持つ分離膜としては、世界で初めて酸性液の処理を可能にしました。
溶剤からの水分離は現在、膨大な加熱エネルギーと広い設置面積が必要な蒸留方式が主流ですが、分離膜方式はわずかな加温で運転できるため、エネルギー消費量とCO2発生量を蒸留方式に比べて10分の1から2分の1に削減可能で、設置面積もほぼ半減できます。
酢酸などの酸性液からの酸回収、水溶性塗料廃液などの溶剤含有廃液やVOC(揮発性有機化合物)溶剤の水分離減容化など、さまざまな用途への適用が期待されます。
特許マップ活用法説明会
(2010年6月)
日本ガイシグループは、知的財産の創造活動を奨励し、適切な保護、活用に努めるとともに、他者の権利を尊重することを基本方針としており、事業部門、研究開発部門と知的財産部門が綿密に協働し、競争優位を築くことを目標にしています。
2010年度は、中国市場での特許出願や知的財産保護に関する取り組みを強化し、日本ガイシグループの商標管理や、その戦略的な展開を強化するための「商標連絡会」を設置しました。また、担当者向けの知的財産教育としては、e-ラーニングを導入したほか、具体例を用いた実践的なセミナーや発明を特許にするスキルを身に付けるための「発明塾」も継続して開催しました。
2011年度は、これらの教育プログラムを充実するとともに、事業部門や研究開発部門での知的財産戦略を磨くために、管理層向けの啓発プログラムも拡充させていきます。